スタッフのひとりごと

定住財団スタッフの日々のつぶやきをお届けします。

Diary

2019-10-01 雀のオリジン

先日実家の庭から外を眺めていると、50羽はいようか雀が群れで電線にとまっていた。
しばらくすると群れは一斉に蠢き、一つの意志を持った黒い生き物のように固まりとなって飛び立った。
  
私の実家は松江市にあるが、郊外の田園の広がる地域である。
私が小さい頃、およそ30年前は信号機もなく、舗装もあまりされておらず、農繁期には牛を連れたご近所さんが行き来、夜は真っ暗。そんなエリアだった。
今では開発が進み、高速のインターができ道路は整備され信号機が増え、飲食店や書店や電気量販店、ドラッグストアやホームセンターや会社の本社建ち、ちょっとした開発スポットになっている。
しかしそんなこのエリアでも田んぼは未だ残っている。我が家も9月は稲刈りに勤しんだ。
  
そしてこの時期になると、雀の群れは稲刈り後の落穂を狙ってやってくるのだ。今も昔もこの風景は変わらず我が家から見ることができる。
  
時は過ぎ、人も移ろい、あの頃と自分自身も周囲の人も変わりゆき、分かり合えずそのままになってすれ違っていった人達も、きっとそれぞれに変わっているだろう。そう、自分が変わっていったように。
  
その一方で、この蠢く雀の群れと同じように変わらなかったものもあるのだ。しかしそれも一時のこと。移ろい変わっていくのだろう。
それをこの手で守っていくのか、寂しいけれど受け入れていくのか。それはとても難しい問題。
けれども、誰かを助けながら求める方向へ向かって行くことならばできる気がする。雀の涙のような小さなことでも塊になれば、あの群れのように力強く。
「誰かのためになれるのならば」
立場が変わっても変わらないことのために、これからも毎日過ごしていこうと思った

(つかさ)

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