定住財団スタッフの日々のつぶやきをお届けします。
秋が深まり、空は高く、宍道湖周辺でたくさんの渡り鳥を目にする季節がやってきました。
自身の羽ひとつで、身軽に世界を行き来できる渡り鳥の自由な姿に、憧れます。
しかし反面、飛び続けるのも楽ではないはず。地面を踏みしめることができる足を持ち、移動のために様々な交通機関を発明した人間のないものねだりかも。
…と省み、一年ぐらい前に出会った出来事を思い出しました。
秋の日の朝の通勤電車でのこと。
ゴール地点であるJR松江駅まであとわずかの地点で、突然電車が止まりました。
何ごとか?と車内がざわつき始めた頃、「大きな鳥が線路にとまっており、一時停車します」との車内放送。
座っていた席からは、車窓の外の様子をうかがい知ることはできず、どれくらい停車しているのかと不安になり始めた頃、再び車内放送。「鳥が少し離れましたので、徐行運転を行います」。
そこから歩行速度程度ののろのろ運転が始まり、電車は5分くらいの遅れで目的地に到着しました。
定刻運転が至上命題の鉄道運行。それでも、飛来してきた野鳥の止まり木機能に配慮して運転できるなんて素敵だな、と感じました。
年末に向かい、慌ただしさも増す時期ですが、自身や周りの人たちの止まり木となる場所や時間、存在も心にとどめつつ、暮れゆく秋を味わいたと思います。
(でんでんむし)