定住財団スタッフの日々のつぶやきをお届けします。
最近、とても尊敬する先輩にお勧めされた本に
山崎亮さんの「縮充する日本」という1冊があります。
山崎亮さんは、今の日本が向き合っている課題は「縮小」ではなく
「縮絨(しゅくじゅう)だ」と書かれています。
縮絨(縮充)とは、縫製用語で、綿などが使用していくにつれて
繊維と繊維の間が縮み、だんだんと密度が濃くなり、
緊密になっていくさまのことを言うのだそうです。
「縮小ニッポンではなく、縮充ニッポンであり、
人口減少社会を迎え、社会はより緻密に、近接化している」のだそう。
合理化の弊害として顕在化してきた「分断社会」が
人口減少とともに壁を溶かす必要性が出てきており、その必要性や、互いに関わろうとする力は
今まさに分断社会を超えようとしているのだそう。
「参加」という市民の姿勢が、政治・福祉・アートなどあらゆる分野で生まれていて、
多様な関わり方を可能にしていて、必要とされているとのこと。
この本を読んで、
私の中で、縮小ニッポンは悲観的なものだけではなく、
縮充という視点で見たときに希望として映ってきています。
先輩の尊敬度合が更に高まった、そんな1冊。
またことあるごとに読み返してみたいと思います。
(珈琲うどん)