スタッフのひとりごと

定住財団スタッフの日々のつぶやきをお届けします。

Diary

2021-06-08 千円のシャープペンシル

  「働く」ということを、改めて考えさせられる出来事が、このたび身近にありました。
  発端は、しいたけの植菌作業。甥っ子が、祖父にあたる私の父親から依頼され、原木に菌を植え込み、その報酬で初めて購入したものが、一本千円のシャープペンシルだったというのです。
  通常百円程度のものに千円も使った!?と驚きましたが、さらに驚いたのは、その後の甥っ子の姿。そのシャープペンシルを使いだした途端、自ら進んで勉強をするようになったそうなのです。
  初めて自分で稼いで手にしたお金で、自分で大切に選んで買った一本のシャープペンシル。それは、単に「ものを書く道具」ではなく、「働いて、人から認められ、その結果、手にしたもの」で、甥っ子の自分自身への信頼感や、有用感や、肯定感を、具現化したものだったのかも、と感じました。
  世の中の隅っこで働きだして、かれこれ四半世紀。「働く」のは、まずお金を得て、日々の暮らしを成立させるためなのだけど、その過程でまがりなりにも人様のお役に多少立てたかな、と感じることができる瞬間は、お金には換算できない満足感をもたらしてくれます。
  甥っ子の千円のシャープペンシルに匹敵するものを、心の中心に大事に抱きつつ、もうしばらく続きそうな「働く」時間を、一つひとつ積み重ねていきたい、と感じました。

(でんでんむし)

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