スタッフのひとりごと

定住財団スタッフの日々のつぶやきをお届けします。

Diary

2021-11-11 循環する原動力

「久しぶりにコンサート行って感動で涙出たわ~」と、地元高校の吹奏楽部演奏会から帰った母が言った。わかる。もし私も前みたいにライブに行って、会場一体になって歌ったりなんかしたら、きっと泣いてしまうだろう。これまで無意識に我慢をしてきたことの多さを一気に感じて、あの時、世界中のみんなが大変だったよねと世界の皆さんに思いを馳せるだろう。
今、新型コロナの感染者が減少し少しずつ出かけやすくなってきているが、これまで真面目な母は不要不急の行動を極力控え、絶対必要な通院や買い物以外での外出することも気が引けると言って、自粛生活を続けていた。全国的に大きな音楽イベントや舞台、映画や演劇だけでなく、恒例の地域のお祭りも集まりも全て延期または中止… 
気晴らしをしようにも、その場所がない状況だった。
不要不急の行動を控えるという風潮の中で、一番ないがしろにされたのは芸術、文化、エンターテインメントだと思う。まるで生きる上で必要がないもののように、切り捨てられていたと思う。
  
だけどそれは本当なのか?
家と職場の往復だけの生活を1年以上続けてきて、こんなにも気持ちがすり減っているのは、そんな生活からは得られないものを、日常とは離れた別世界に行くことでもらっていたのだと思う。
 私には応援したいと思う役者や歌手、つまり【推し】がいて、その人の作品や活躍に触れることで日常が華々しくなる。いつも感動をありがとうという気持ちで、商品購入はもはや恩返しだとも思っている。
 推しの最新作のテーマである社会問題について意識するようになったり、新しい舞台の原作である小難しそうな戯曲も読むようになる。推しの存在は私の視野をも広げてくれる。
そんな人の活躍が制限されることはとても悲しい。
  
ある人気作家のインタビューを新聞で読んだところ、作家紹介欄で「推しの俳優のミュージカルが原動力」とあった。その作家も推しから力をもらい、日々の執筆の原動力になっている。そして、その作品がまたその作家のファンの原動力になっていく…
  
こうやって感動から生まれる力って循環しているよね…なんてことを考えながら、私は今日も推しの情報収集にいそしんでいる。

(りんご)

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