定住財団スタッフの日々のつぶやきをお届けします。
週末に実家の畑で野菜の植え付けを手伝うことになり、種や苗を植栽する前に、土を掘りおこす作業を担当しました。
耕運機の使い方を一から父に習い、重いハンドルを握って、畑の中をくねりながら、西へ東へ、北へ南へ。限られた時間の中、できるだけスピーディ-に耕運機を動かそうと頑張っていると、その様子を見た父から、「もっと、ゆっくり」と声が飛んできました。
耕運機を早く移動してしまうと、下の土を深く掘りおこすことができず、野菜の種や苗が喜んでくれる土の状態にならない。ゆっくり、じっくり、土を耕すことが、良い野菜を育てるために大切なんだということを、父は言いたいようでした。
掘りおこされた土を見ていると、日々の暮らしの中にある仕事や人間関係についても、同様なことが言えるのかもしれない、と感じました。
効率だけを考えれば、“より早く”が求められますが、しっかりその地に根を下ろそうとすると、あえて、ゆっくり、じっくり時間をかけて、深く足元を掘りおこしていく作業が、必要なのかもしれません。
この春。様々な変化を迎える中にあり、正直不安もありますが、耕運機の操作でできた左手指のまめを思い出し、あせらず、たゆまず、一歩ずつ、進んでいければと、思います。
(でんでんむし)