定住財団スタッフの日々のつぶやきをお届けします。
昨年の秋口に『謎の鳴き声』と題して、こちらの“ひとりごと「謎の鳴き声」”に投稿しました。
今回はその第2弾として、春を告げる〈鳴き声〉のお話です。
春分を過ぎた頃、まだ肌寒い夜明け前の里山に「ヒョーーヒョーーー」という声が響き渡るようになります。それはまるで人の口笛のような音で、真っ暗な中で聞こえてくるとなかなかに不気味。
実はこの声、【鵺(ぬえ)】という妖怪のもの…。鵺はサルの顔・タヌキの胴体・トラの手足・ヘビの尻尾という姿をしている、と言われています。
そんな化け物が島根の山奥に………というのは冗談ですが(笑)、この鵺のモデルになったと言われている【トラツグミ】という鳥がこの声の主なのです。
鵺に関しては平安時代の書物にも書かれており、その声は不吉なものとされていました。里山で暮らしていると毎年のことなので慣れたものですが、それでもこの声を「不気味」と感じるのは大昔から変わっていないようです。
このトラツグミの声が聞こえ始めると、春を代表する鳥であるウグイスもだんだん上手に鳴くようになってきます。そうこうしているうちに、最近はツバメも飛び交い始めましたね。
季節の移ろいを自然の中で感じられるのは、島根の自然が豊かな証拠だな、と再認識した今日この頃なのでした。
(大福)