スタッフのひとりごと

定住財団スタッフの日々のつぶやきをお届けします。

Diary

2024-05-10 別れなければ、離れなければ、再び出逢えない

 6年前の春、その青年は農業法人に勤務したいと、直接財団に電話をくれた。

 そこから、やり取り開始。

 4か国語を操り、海外にも飛び回っている青年だった為、他の業界も含め、企業見学を実施。本人が選んだのは、ほぼ高齢者ばかりの農業法人だった。

 理由は「ご年配者が多いから」・・・意外な答えだった。

 人生の大いなる先輩は、その土地の文化・伝統を重んじ、知識を豊富に持っている…

 なるほど。

 農業の経験は多少なりともあったが、日本の農業は初めて。それでも、6年経過して、彼は法人代表の右腕になるほど成長した。プライベートでも、郷土文化である茶道を学び、財団が主催するイベントでも、移住の先輩として私達のようなサポーターとして活躍してくれていた。

 その彼が、先日、島根を去った。

 島根が嫌いになった訳はない。仕事が嫌になった訳でもない。

 後ろ髪を引かれる思いだったはずだ。それでも、「自分の人生。自分で決めました」とスッキリとした笑顔で、最後は深々と頭を下げて去って行った。

 題名は彼が残した言葉。

 きっと、故郷で島根の種を蒔いてくれる事だろう。

 そして、黄金色の稲穂が見える頃、可愛い2世とのスリーショットを送ってくれるはず。

 6年間ありがとう。そして、新しい家族と共にこれからもよろしく!

 

 『しじみ汁を飲みながら、島根を想っています』と今朝、連絡が来た。

(とんぼ)

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