定住財団スタッフの日々のつぶやきをお届けします。
久しぶりに連続ドラマにはまってしまいました。
NHKの「虎に翼」。日本初の女性弁護士、裁判官となった実在のモデルをベースに構成されたドラマで、当時の女性を取り巻く差別的な環境や家庭内での葛藤等を乗り越えながら、志を遂げていく姿が描かれています。
ドラマを通して、小さい頃から何となく抱え続けていた思いに「こういうことだったんだ!」と合点がいく。はっきり口にできなかった当時のモヤモヤした思いが、明確な形になって自分の前に現れる。そんな感動を覚えながら、録画した画面を見続けています。
昭和に過ごした青春時代、性別で簡単により分けられていくことへの疑問が、どこかにずっと残っていました。
中学時代、ことあるごとに「女性だから…」という先生に、「性別の何が、そんなに大事なんだろう?」と思ったこと…。
高校時代、「おいしい料理をつくったら、素敵な男の人に振り向いてもらえるから頑張りましょう」という家庭科(当時、高校の家庭科は女性のみ履修科目でした)の先生の言葉に戸惑い、授業の中で感じたことを発表し合う場で、「食事をつくることは男性にとっても大切だと思うので、高校でも男性も一緒に家庭科を学べるといいんじゃないかと思います」と話したら、先生から驚いた顔で見つめられたこと…。
何となく違和感を感じ、何となく居心地の悪さを感じていたあの頃。その違和感や居心地の悪さの正体を明確に言葉にすることは、大きな勇気や知識が必要でした。
時代は流れ、令和の現在。高校の家庭科は男女共修になり、ジェンダー等の概念も浸透しつつあります。この間の「変化」は、決して自然に生じたものではなく、先人の女性が一つひとつ、血がにじむような努力と忍耐を繰り返す中で獲得してきたものだということを、このドラマを見ながら感じています。
世界レベルから見れば、現代においても、まだ日本は発展途上。先人からの思いをつないでいくために、思いを言葉にしてみることをあきらめないで進んでいければ、と思いました。
(でんでんむし)